Dance to Death:死に舞 on the Line

Music and Game AND FUCKIN' ARRRRRRRRT 今井晋 aka. 死に舞(@shinimai)のはてなブログ。

Jamie Paige『Constant Companions』:海外ボカロシーンのクイア性

Jamie Paigeはシカゴのアーティストである。ボーカロイドと自身の声を併用したシンセポップを中心としており、BandcampやSpotifyを中心に人気を集めている。また初音ミクのDigitalStars2025の楽曲も手掛けている。 youtu.be 2024年リリースのアルバム『Const…

ロールプレイを促進するシステム:『GTAV』アライメントによるキャラクター役割

先にロールプレイを促進するゲームシステムについて言及したが、その中でも特に古典的な「アライメント」について今回はちょっと書いてみようと思う。 「アライメント(alignment)」という概念は、主にTRPG(テーブルトークRPG)由来のもので、キャラクター…

PSっぽい雰囲気のCGアーティストmiraimono

LE SSERAFIMの新曲MVで大々的にゲームグラフィックスを使っているものがあるのを知った。 ドット絵のMVは珍しくなくなったけど、これはPS世代の3Dグラフィックスを彷彿とさせるデザインも使われており、なかなか野心的だ。(MVの中にはゲームボーイやPC98の…

ビデオゲームにおけるロールプレイ:自由と制限の狭間で

ロールプレイとは、役(ロール)を演じる(プレイ)ことであり、ゲームに限った事柄ではないが、ビデオゲームはしばしばロールプレイを重視するアートである。その呼称の正しさはどうあれ、「ロールプレイングゲーム」といえば、ビデオゲームの王者たるジャ…

謎のアーティストだったAlex G:GTAVでの邂逅

Bandcampで聞いていて、その背景がぜんぜんわからなかったアーティストとしてAlex Gという人がいる。 TRICK Alex G ローファイなインディーロックを基調としたその気だるい音楽は今っぽいチルな雰囲気を描写しており、Bandcampの中でも人気を博していた。自…

音楽が”キラキラ”するためには:ユーザー価値が高まるプラットフォームの重要性

先日こういうブログエントリを読んだ。 note.com このブログ記事「音楽産業は"キラキラ"を取り戻せるのか?」は、筆者が入院を経験したことをきっかけに、人生の儚さと「今を楽しむ」ことの重要性に気づき、退院後にソーシャルゲームに課金して楽しんだ体験…

オフマイク唱法の美学:エモとスクリーモ

オフマイク唱法というものがある。私が勝手に名付けたものだが、その意味するところは、「マイクから離れた(オフマイク)ところで発声されたようなボーカル音の表現技法」といったようなところだ。クルーナー唱法がそうであるように、これは歌い方でありな…

ゲームレビュー:それは批評なのか、バイヤーズガイドなのか、それとも何なのか?

10年来ゲームレビューに関わってきたものとして感じることは、この概念に対して期待するものは人によって結構違うっていうことだ。あるものは「客観的なことを書け」と言い、他のものは「点数をつけずに感じたことを書け」と言う。これはどっちが正しいとい…

Midwest Emo in East Asia/東アジアで花開くミッドウェストエモ

East Asian Midwest EmoというプレイリストをSpotifyでなんとなく作った。Midwest Emoは1990年代の中西部(Midwest)のEmoシーンを指す総称で、たぶんAmerican Footballが一番有名だ。ポストハードコアの中では比較的クリーントーンのギターサウンドが特徴で…

サーフロックとB級ホラー:サイコビリーの美学

サイコビリーという音楽ジャンルがある。簡単に言えば、パンクの影響を受けながら50‐60年代のキッチュなカルチャーをテーマにしたロカビリーの発展型だ。ロカビリー起源のリーゼントやポンパドールを誇張した髪型、50年代風のファッション、B級映画ポスター…

ロックンロールの交差点クリーブランド:Peru Ubuデヴィッド・トーマス死去に際して

Peru Ubuのフロントマンというか本体のデヴィッド・トーマスが先日、亡くなった。Peru Ubuはオハイオ州クリーヴランドで1975年に結成されたのだが、クリーブランドの(プロト)パンクシーンを調べているといろいろと面白いことがわかってきたので、その一部…

Diegetic UIの憂鬱

なんとなく『Hellblade: Senua’s Sacrifice』の続編『Senua’s Saga: Hellblade II』をやってみたりしたんだが、このゲームはUIが完全に(見え)ない。ついでに言うと、全編に渡ってレターボックスが入っていたりして、結果、カットシーンと操作(プレイ)パ…

聴取

今年の半分以上終わったけど、最近聞いていいるものなど。 Jam City Presents EFM Jam City グライム出身のアーティストらしいが、この新作はオーセンティックなハウスに歌モノを入れたポップアルバムだ。詳しい解説はここに任せるが、たしかになんともエロ…

Milkoiに恋をして

彼の音楽を聞いたきっかけはもう覚えていないが、新型コロナ最中の夏の夜にこのEPを何度も聞いていた。 milkoi.bandcamp.com おそらく権利関係か、ジャケットは当時と違っている。当時はアイスを食べている少女の絵が描かれていた。 Milkoiについて知ってい…

韓国期待のアーティストEXN(個人的に)

最近、自分の音楽視聴の3割くらいがK-POPになってしまった(とはいっても、メジャーなアイドルとかじゃなくて、R&Bよりのラップが多い)。K-POPの洗練され具合と、その過剰な装飾、イメージやMVは本当にすごい。とても楽しいし、掘れば掘るほど面白いものが…

プロデューサーとディレクターについて

この違いは経験論から知っている人は多いとは思うが、特に日本では誤解しやすい文脈があるので、わざわざ説明する価値はある。おおよそクリエイティブな仕事に関わっている人(広い意味ではすべてのビジネスはクリエイティブだ)は意識したほうが良いロール…

音楽の楽しみ方とは

今日はヘッドフォンを忘れて死にそうになった。これは完全に中毒。なんか耳が音楽でふさがってないと、損した気分というか、落ち着かなくなるのだ。 それはそうと、音楽の楽しみ方について。(すでに楽しみというより、無いのが不安な人が何を言っているのか…

同人STG名曲コンピレーションを作るならば・・・

まったく脈絡ないけど、個人的にアガるネタだわ。ちなみに順番は適当。年代順とか考えずに思いつくまま。。 1. 『REVOLTER』INTRO-TITLE www.youtube.com プレイしたこともないけど、やっぱ最初にこれを持ってきたいよね。なんていったって崎元仁のデビュー…

韓国ヒップホップ/ラップMVの楽しみ

これ。以前から聞いていた韓国のラッパーSik-Kの新作MV。 いやー見直しているけどSik-K新曲のMVすげーわ。ごった煮だけ凝ってる。ゲームMV大賞 https://t.co/L5GyGrLKRb — *死に舞 (@shinimai) June 30, 2020 Twitterでつぶやいたけど、いまいち反応が薄かっ…

ゲームメカニクスへの好奇心:ツーテンジャックの思い出

ゲーム好きであれば、日常的にゲームのルールにあれこれ思案したり、新しいゲームを考えてみたり、あのゲームのここはいかんな、こうしてみてはどうかとか改良を思案したりするものだが、このようなゲームメカニクスへの好奇心はどうして培われたのだろうか。…

『Cytus II』における優れた音楽の演出

また『Cytus II』の話をしよう。このゲームが完結するまでは延々と推していくわけだから。 今回は本作の音楽を使った物語演出の妙を紹介しよう。主役となるのはNEKO#ΦωΦ(NEKO)とPAFF(Aroma)だ。メインストーリーでも重要なこの2人は本作では2つのシナ…

『Cytus II』に感じられるテッド・チャンの影響:AIとダンスの関係

最近、早川書房から出たテッド・チャンの短編集『息吹』をちょくちょくと読んでいるのだが、その中に収録されている「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」という中編小説の中に出てくるエピソードが『Cytus II』に影響を与えているのではないかと…

『Cytus II』音楽を理解し、テキストを読むということ:ただそれだけの威力

『Cytus II』というゲームが好きだ。だいぶ好き好き言っているから、聞き飽きたかもしれないけど、これはもう愛してるというほど好きだと思う。 play.google.com このゲームはリズムゲームとノベルゲームを交互にやるような変なゲームではあるんだけど、それ…

ゲームライターに求められるもの

ゲームライターに必要な教養に関する議論が話題になっていたことがあった。(個人的に)私が(編集者)としてゲームライターに求めているものは何かといえば、それは「注目しているシーンがあること」な気がする。 話題になってた「教養」の話は、もともとは…

(ドラフト)ビデオゲームの美的判断における内在的質と外在的質について

別に論文書くとかはないかもしれないが、とりあえず今日思いついたことをメモ。このふたつの区別については、我々ゲームライターは実践の場で取り組むべき問題であり、一定の有用性もあると思われる。 1. 問題の所在 我々ゲームライターはビデオゲームを評価…

やはりSTEINS;GATEは面白い

アニメ版の『シュタインズ・ゲート ゼロ』が始まった。ゲームの方はやってないが、Steam版がこの後出るらしいので、それを待つまでアニメを見ようと思う。大体、中盤からゲームやって、アニメと同時にfinishするのがいいのかもしれない。 それにしてもだな。…

Bandcampの日本のkawaii音楽シーン特集翻訳:アーティスト紹介① Snail's House、Yunomi、YUC'e

前回、冒頭のイントロダクションを翻訳したところ、結構な数のアクセスがあったから、個別アーティストの紹介も翻訳しようと思う。と思って、やったところ結構なボリュームがあり、なかなかこのライターさん良く聴き込んで日本の音楽シーンも深くしっており…

Bandcampで日本のkawaii音楽シーン特集が掲載!冒頭の紹介部分を翻訳したよ

kawaiiってなんだ!って思うかたもいますが、ここ数年日本のインターネット界隈では定着したジャンル?なんだけど、Bandcampが特集してくれたよ。UjicoやYunomiのインタビューをしているみたいで、思った以上、本格的な特集だった。 daily.bandcamp.com はて…

Monika@DDLCはハルヒ説

遅かれながらDoki Doki Literature Clubをプレイした。大方の予想通り、日本のノベルゲームシーンの中ではそれほど珍しくもないジャンプスケアやメタ展開を利用しながらも、かなりコンセプチュアルにうまくまとまった作品であった。それ自体としてはそこまで…

Look back over VA-11 Hall-A

今年のインディーゲームシーンで自分が何事かに関われたかといえば、やっぱり『 VA-11 Hall-A』になるんだろう。もちろん、他にも良い作品、気にいった作品はあったけど、長年(まあ2、3年)推してきたタイトルがようやくパブリッシャーが決まり、コンシュー…