Dance to Death:死に舞 on the Line

Music and Game AND FUCKIN' ARRRRRRRRT 今井晋 aka. 死に舞(@shinimai)のはてなブログ。

ゲームライターに求められるもの

ゲームライターに必要な教養に関する議論が話題になっていたことがあった。(個人的に)私が(編集者)としてゲームライターに求めているものは何かといえば、それは「注目しているシーンがあること」な気がする。

話題になってた「教養」の話は、もともとは「基礎教養的ゲーム」、つまり「教科書」的に「これやっておかなきゃ駄目でしょ」みたいなものだったと思う。この「教養」の問題はだいたい2点あって、「そもそも教科書的な作品のリストがはっきりしない」と「そもそも現実的にプレイするのが不可能だ」ということだ。これ自体はそのとおりで、解決のためにゲーム業界の人々は教科書みたいなものをもっと作る必要があるし、ゲームのアーカイブ事業ももっと進める必要がある。

ただどんなに正統なゲームの歴史教科書があったり、過去のゲームにアクセスすることができたりしても、私がゲームライターに求めるものは、そういった類の「教養」じゃない気がする。ゲーム研究者みたいな人には有用だし、もちろんゲームライターにとっても重要な知識となると思うけど。

じゃあ、何が必要かというと、冒頭の「注目しているシーンがあること」である。これは何かというと、個々のゲームライターが活躍するためには、何よりも自分が面白いと思っているゲーム、そしてそのゲームを取り巻く環境に対する意識が必要なんじゃないかと思う。そもそも、いくら知識があってもゲームを楽しめなくなったらゲームライターとして面白くないし、そういう人にわざわざ仕事も頼みたくない。さらに編集者としての目線からは、漠然と「ゲームが好きです」というよりも、「今、このゲームが熱いんです!」といい人の方が仕事が頼みやすい。

まあもうこれは教養とかそういう話じゃなくて、単なる熱意とか根性論に近いんですが、そう思ってしまったのは事実です。逆にいえば、「今、このゲームが熱いんです!」とか「このゲームをやっている人が熱いんです!」とか「このゲーセンが熱いんです!」とかそういうの常にある人は、それは才能ですから、ぜひともゲームライターに挑戦してみてください。

(もちろん、文章書くとか、現実的な仕事の諸能力は必要だよーー)