Dance to Death:死に舞 on the Line

Music and Game AND FUCKIN' ARRRRRRRRT 今井晋 aka. 死に舞(@shinimai)のはてなブログ。

韓国期待のアーティストEXN(個人的に)

最近、自分の音楽視聴の3割くらいがK-POPになってしまった(とはいっても、メジャーなアイドルとかじゃなくて、R&Bよりのラップが多い)。K-POPの洗練され具合と、その過剰な装飾、イメージやMVは本当にすごい。とても楽しいし、掘れば掘るほど面白いものが出てくる。その中でも最近見つけたEXNという女性アーティストはとてもかっこいい。ラッパーでありシンガーであり、楽曲制作も、なんとアニメーションまで手掛ける多彩っぷり。サウンド面では様々なジャンルを横断しつつ、実験的でもありつつ、極めてポップ。特にその低いピッチの独特のラップ、オートチューンや声の加工は一度聞いたら忘れられないほどアイコニックだ。

最初に聞いた曲「EXN'S ANSWER」は今年のナンバーワンになりそうだ。

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フューチャーベース的なハーフタイムビートとキラキラした日本人好みのコード展開、そしてフックでの気持ちの良い4つ打ち、そこから転調したアウトロと、短い中に素晴らしいアイデアが詰まっている。そしてなんとも奇妙かつポップな低いピッチのフロウ。

彼女はこの楽曲をライブでも完璧にパフォーマンスしている。

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脇道にそれるが韓国のバドワイザーはなんか若者向けプロモーションをかなりやっているようで、このBUDXBEATSっていう企画はかなり面白い。

一方こっちの「Scared Straight」ではポップな曲調に自作(!?)のアニメーションを披露している。

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中割はそんなにないが、まるで湯浅政明のようなドラッギーでポップなアニメーションはビデオ作品としての魅力も十分だし、曲のテーマも韓国語がわからなくても伝わってくる。

 

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今日出たばかりの「REVERSE」はバンドサウンドを意識した16ビートのポップソングだ。MVもかなり気合が入っている。

所属レーベルのUnusual Soundも含めて、まだスタートしたばっかりのようであるため、ぜんぜん再生数も少ないけど、すでに天才なんじゃないかと思っている。彼女の経歴はまだまだわからないが、2010年代のころからSoundcloudで活躍していたようで、ある程度、グローバルにファンを築いている様子。

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Unusual Soundの規模も謎だけど、今までのプロダクションをみるかぎり、本気で売り出す気はあるようだ。ぜひとも日本でも人気になってほしい。クールな見た目もとってもかわいくてかっこいい。

 

プロデューサーとディレクターについて

この違いは経験論から知っている人は多いとは思うが、特に日本では誤解しやすい文脈があるので、わざわざ説明する価値はある。おおよそクリエイティブな仕事に関わっている人(広い意味ではすべてのビジネスはクリエイティブだ)は意識したほうが良いロールだと思われる。

結論から書くと、プロデューサーとはあるプロジェクトのビジネス面での責任者であり、ディレクターとはクリエイティブ面での責任者である。

これ自体は非常にシンプルな話であるが、そもそもプロジェクトのビジネス面とクリエイティブ面を明確に分離するのは難しいため、いまいちわからない人も多いだろう。例えば、キャスティングは映画においてビジネスとクリエイティブ両方に関わるが、予算的制約とマーケティング的な意味合いが強いため、最終的にはプロデューサーの権限が強くでる。

このような根本的な議論とは別に、プロデューサーとディレクターの違いをわかりにくくするいくつかの文脈がある。

そしてどちらかといえば、プロデューサーのほうが誤解を招きやすい存在だ。ディレクターに関しては「監督」という日本語があり、主に映画監督からの援用として理解しやすいと思う。つまり何かの制作を取り仕切る人である。対して日本人の「プロデューサ」に対するイメージは様々だ。それはこの言葉が使用される文脈で実際に異なるからだ。

まず音楽産業における「プロデューサー」が存在する。音楽業界における「プロデューサー」とは、ある意味テクニカルタームであり、通常のプロデューサーとは異なる。それは楽曲を制作(プロデュース)する人という意味であって、他のジャンルではおおよそクリエイターやディレクターにあたるのだ。いわば音楽プロデューサー=映画監督なわけだ。なんで、こうなっているのかはよくわからない。でも実際に英語圏での定義(ここではグラミー賞の定義)などを見れば、そうなっている。

The person who has overall creative and technical control of the entire recording project, and the individual recording sessions that are part of that project. He or she is present in the recording studio or at the location recording and works directly with the artist and engineer. The producer makes creative and aesthetic decisions that realize both the artist's and label's goals in the creation of musical content. Other duties include, but are not limited to; keeping budgets and schedules, adhering to deadlines, hiring musicians, singers, studios and engineers, overseeing other staffing needs and editing (Classical projects).

日本人的にはプロデューサーとして思いつく人物は小室哲哉つんく秋元康とかだと思う。実際に彼らは音楽作曲したり、作詞をしたりしており、その程度の差はあれ、クリエイティブな決定や判断を下している。でも彼らは、映画業界のようなプロデューサーではなく、どちらかといえば、ディレクターである。もう割り切って言えば、音楽プロデューサー=映画監督といって良い。

(では、音楽における映画プロデューサー的な役回りは誰なんだという議論がありうる。これまた厄介なことに音楽にはレコード会社に所属するディレクターというのが存在して、彼らが予算を管轄しているため、映画でいうプロデューサーなのだ。)

次にアイドルゲームなどで登場するプロデューサー、通称Pというやつだ。この言葉は90年代以降の音楽プロデューサーブーム(つまりは小室哲哉つんく)によって形成され、「アイドルマスター」などのゲームで定着したと思われる。実際にゲームをやってみれば分かる通り、彼らは「音楽プロデューサー」ではない。つまり、作曲や作詞、スタジオミュージシャンアサインといったクリエイティブな判断や制作をしていないようなのだ。じゃあ、アイマスのPってなんだと言えば、ほとんど芸能マネージャーのようなことをしている。アイドルをスカウトして、育てて、管理しているのだから。

ここからさらにややこしくなるのは、このアイドルゲームのPと似た、ボカロPもまた通常のプロデューサーではないということだ。ボカロPの場合は実際に作曲・作詞を含めたクリエイティブな制作を行っているため、音楽プロデューサーであり、映画ではディレクターにあたるロールである。

これらの言葉の文脈によって、日本語の「プロデューサー」という語は非常にわかりづらくなっている。本来的な意味はクリエイティブなプロジェクトのビジネス面を担当するロールであるが、上にみたとおり、音楽では実制作にかかわり、アイドルゲームではマネージャーのような仕事をそう呼ぶ場合がある。でもそれらはどちらかといえば、特定の文脈における話であって、本来のプロデューサーは繰り返しになるが「クリエイティブなプロジェクトのビジネス面を担当するロール」である。

 

 

音楽の楽しみ方とは

今日はヘッドフォンを忘れて死にそうになった。これは完全に中毒。なんか耳が音楽でふさがってないと、損した気分というか、落ち着かなくなるのだ。

それはそうと、音楽の楽しみ方について。(すでに楽しみというより、無いのが不安な人が何を言っているのかというのは置いといて。)

なんでこんなことを書こうと思ったのかというと、意外にも(意外でもないのかもしれないけど)「音楽の楽しみ方がわからない」って言う人が多いから。実際には謙遜して「音楽がわからない」っていうことが多いけど、それに対して自分が何か音楽がわかっているのかというと、それは怪しいので実際には「楽しみ方がわからない」という意味で解釈している。

いやもちろん、私がわからないっていうのも謙遜しすぎである。そりゃ知識としては一般的な人よりも圧倒的に知っている(なにせ大学院で研究していたのだから)。だけど、おそらくそういうことはじゃないんだと思う。「音楽がわからない」っていう人にロックの歴史を説明したり、教科書的な本を用意したり(例えば、大和田さんの『アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』)すれば良いわけじゃないのはわかる。もっと感覚的に音楽をどう楽しんだらいいのかわからない。そういうことだと思っている。

翻ってそういう人たちがまったく「音楽を楽しんでない」とも思えない。好きなゲーム音楽を作業中に聞いていたり、映画を見て「あの曲が良かった」と言ったり、カラオケで歌ったり、アニソンを楽しんだり、音ゲーをしたり、しているのだ。だからこういう場合、何かしら「音楽だけを純粋に楽しむのが難しい」と言っているように思えるのだ。

では、私は音楽だけを純粋に楽しんでいると言えるのだろうか。まあ言える部分も確かにある。楽曲をそれが作られた時代から切り離し、音階や和音、スケール、リズム、サウンドのテクスチャを楽しんでいないわけでもない。しかしながら、それらを具体的に記述するとなると、とたんに「ブルーズのプログレッションとシャッフルしたリズムをパンクというロック以降の音楽に取り入れつつ、ビートはヒップホップのような黒人音楽の影響があって良いよね」とか、「琉球音階をスカのビートでならすことでエスニックなサウンドになって気分がいいね」とか、「これはフィル・スペクターサウンドを取り入れることで、60年代のウォール・オブ・サウンドを再現していて荘厳だね」とか、ほぼ確実に文脈的、歴史的な要素に言及せざるを得ないのである。純粋な音楽の記述?五線譜のこと?いやそれだって西洋音楽の文脈ありきだよね(というのが、私が大学院で学んだことの一部である)。

そう考えた場合、「音楽だけを純粋に楽しむのが難しい」というのはある種当たり前のことである。というか、そういう楽しみ方はないわけではないが、かなりマイナーなものな気がする。ぶっちゃけ、歴史や時代、民族性、ポップカルチャー、政治、そういったものと無縁に音楽を楽しむってのは、タイカレーをただのスパイスや香草のかたまりとみるくらい変わった鑑賞の仕方である気がする。

つまり、音楽が趣味と堂々と言える自分も、決して「音楽だけを純粋に楽し」んでいるわけではない。基本的には人間の文化の一部として楽しんでいる。それはもちろん、ロックやヒップホップっていうグローバルなカルチャーな場合もあるし、アニソンやボカロ、ネットレーベルみたいな極めて小さくニッチなシーンかもしれない。「音楽が趣味」と胸を張って言える人も、そういうカルチャーやシーン込みで楽しんでいる人が大多数である。

ということは、好きなゲーム音楽を作業中に聞いていたり、映画を見て「あの曲が良かった」と言ったり、カラオケで歌ったり、アニソンを楽しんだり、音ゲーをしたりしつつも、「音楽がわからない」という人と私のような音楽好きとは本質的な違いがないのであろうか? これには本質的にはないが、違いはあると答えたい。

楽しみという意味ではどちらも等価であるように思える。ただ、音楽が趣味という人は、おおよそ大文字というかメインストリームの音楽に対する文脈的な知識があると思われる。ようするに大文字のポピュラー音楽の歴史や文化、その形式に一定の知識を持っているということだ。

これがどういった違いを生むのか。それはコミュニケーションにおいて違いを生むと思う。ゲーム音楽しか聞いていない人にとって、植松伸夫サウンドプログレらしさはなかなかわからないと思うし、並木学が思いっきりデトロイト・テクノの影響を受けていることは気づきようもないと思う。その繋がりを認識することは、音楽を楽しむ本質には影響を与えないかもしれないが、似たような音楽やサウンドを探したり、他人と共有したりするときには大きな差を生む。プログレという概念やジャンルを知らない人が、植松伸夫っぽい音楽を探すのはやや難しいだろうし、『バトルガレッガ』のような音楽を探すのも難しいだろう。

あれ? そうすると、「音楽の楽しみ方がわからない」という人には、やっぱり(大文字の)ポピュラー音楽の知識を与えるべきなのか? 確かにそうかもしれない。自分の好きな音楽、それがゲーム音楽でも映画で聞いた音楽でもアニソンでも何かあって、似たようなものを探したり、他人とその良さを共有するためには、知識はあったほうがいいだろう。ただ別にそれは楽しみを増やすとも言い切れない。いや、楽しみは増えるっちゃ増える。でもそれは「純粋な音楽の楽しみ」というわけじゃなくて、我々人間の雑多な文化を理解する「不純な楽しみ」であって、人とコミュニケーションする楽しみだと思う。それも実際に仲良くするとかそういう話ではなく、人間という文化や文明につながるという広い意味でのコミュニケーションの楽しみだ。

非常に込み入った話だが、私が先の問いについて答えるとしたら、これくらいの分量は必要である。音楽を楽しむというのは、なかなか説明が難しいものである。

同人STG名曲コンピレーションを作るならば・・・

まったく脈絡ないけど、個人的にアガるネタだわ。ちなみに順番は適当。年代順とか考えずに思いつくまま。。

1. 『REVOLTER』INTRO-TITLE

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プレイしたこともないけど、やっぱ最初にこれを持ってきたいよね。なんていったって崎元仁のデビュー作なわけだから。崎元さんはめっきりSTGの曲を作る機会がなくなっちゃったけど(当たり前w)、個人的には彼のオーケストレーションSTGこそ映えるのだ!

2. 『Judgement Silversword』BGM 02 

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これもM-KAI伝説的には必要なチョイス。ちょっとループとして短すぎるけど、ここから『エスカトス』につながることを考えれば、やはり無視はできない。

3. 『東方紅魔郷』上海紅茶館

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東方さすがにいらんやろーっと思いつつ、こういう歴史で聞くとZUNのどこが面白いのかよく分かると思う。それが目立つように「上海紅茶館」をピックアップしたが、やはりSTGの楽曲としては異質なくらいメロがはっきりしているが、展開はかなり明暗コロコロ変わる。いや、やはり東方の音楽って面白い。

4. 『SUGURI』Icarus

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もはやこれは伝説級の曲ではないだろうか。DEKUさんはいつの間にか(というと失礼)人気ゲーム音楽作曲家になったのだが、この曲は音源のチープさが気にならないほど魂がこもっている。イントロの印象的なシンセのフレーズから、全体を通したトランス感。同人STGの歴史にとどまらない名曲だ。

5. 『Gundemonium Recollection』Tuxedo Knight

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これもやっぱ外せない。ムラサメ伝説。PSも含めていろんなバージョンもあるけど、個人的にも時代的にもRecollectionから1曲かな。やはり音源的には時代を感じるけど、やたらとツーバスみたいなキックが入っていたりしつつも、ムラサメゲーらしい親しみやすいメロや歌謡曲感があって良い。

6. 『Hellsinker.』 Seg. 6 Boss

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まあこれがやりたかったんですよね。『らじおぞんで』含めてとんのり先生の楽曲をどれいれるべきかかなり迷うけど、やはり重要なのはプログレッシブトランスが歪みまくったうえでゲーム音楽になっているところ。

7. 『RefRain -prism memories』G01-AN {central keeper[Celess]}

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RebRankも本当にはずせない。そしてこの曲はガチなトランスとしてまじでかっこいい。Central 4とかも素晴らしいですけど。ゲーム内ではすぐにボス撃破してしまうが、展開が本当に多彩。

8. 『REVOLVER360 RE:ACTOR』 Re-Cycle

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今見ても斬新なSTGだが、音楽はミニマルなテクノと思いきや、ウワモノの展開はけっこう複雑だぞ。くろろさん何しているかな……。こんなゲームをほぼ1人で作るとか、どうかしてますよ。BPMが安定しながらも展開がいろいろあるから、ロングミックスでなにかと混ぜるといい感じになりそう。

9. 『∀kashicverse -- Malicious Wake』Stage 2 boss

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Hellsinker.』フォロワーながらも、音楽的にはハードコアテクノやガバ方面に振り切っている。まあエンドレスシラフはSTGゲームとともに音ゲー愛好家であったことを考えると、それもわかる。しかしながら、後半の無茶な展開(笑)。ミキシングとマスタリングがやや弱いので、何かの形で再録してほしいところはある。

10. 『超連射68k』Planet the E.A.R.T.H (STAGE 1)

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これで最後を閉めよう。なんといってもファミベのよっしんである。未だにこのチップチューン的なレトロを感じさせつつ、「えっそんな音も、こんな音も出せるの!」っていう感じはすごい。ジャンル的にも謎のカリビアンテイストがあったり、本当に面白い。

韓国ヒップホップ/ラップMVの楽しみ

これ。以前から聞いていた韓国のラッパーSik-Kの新作MV。

Twitterでつぶやいたけど、いまいち反応が薄かったからもう少し書こう

Sik-KはH1GHRっていう韓国(とシアトル)ヒップホップレーベル/クランのラッパー。もともとアイドルグループ「2PM」のリーダーのJay Parkがテレビのオーデション番組から築いたレーベルだから、韓国ヒップホップではメインストリートよりだけど、かなりグローバルに活動してて、楽曲のセンスもいい。

特にプロデューサーユニットのGroovyRoomはアイドル的な天才コンポーザーとしても人気で、たしかに下の「iffy」なんかのトラックはポップかつキュートで、トラップの影響もありながらオーセンティックR&B調の素晴らしいセンスを感じる。

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https://www.youtube.com/watch?v=Q8AK_wfGhkg

まあ自分も韓国のヒップホップは最近聞き出しただけで、あまり詳しくはない。この英語のWikiなんかで情報を調べるのは結構楽しいが、今回はMVの話だ。

韓国のメインストリートのポップミュージックのMVは基本的にすごく金がかかっているんだけど、だいたいカラフルでゴテゴテした雰囲気で、なんどもアーティストがお色直しして、無駄にゴテゴテした部屋を映す。このあたりの経緯はおそらくMVにおけるプロダクトプレイスメントの影響などありそうだけど、理由はわからない。(逆に日本のSMEなんかは、やたらとSonyのヘッドホンをMVで推している。)

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で、今回のSik-Kの「RSVP」なんだけど、サムネからしGTAのパロディ(っていうかまんま書いているのにタイトル載せているだけw)なんだけど、下の文字なんかは8bitなアーケードゲームだったりする。

実際にMVの内容を見てみると、GTAに限らず、くにおくん風レトロアーケードゲームマリオカート風謎実写レース、Windows2000っぽいデスクトップにインスタやメッセンジャアプリがのっていたり、デジタル世代のアイコンがごった煮となって出てくる。この雰囲気は今の韓国の若者が得てきたカルチャーを感じさせるものであるが、さらに注目すべきは1分50秒あたりで、女の子の部屋にダイブして突っ込む場面がゲーミングPCのよくある内部構造のCGビデオみたいなところ。

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こういう感じのやつ。まあここまでゴテゴテしてないけど、やっぱ韓国はPCゲームなんだなって思う。

まーそうじゃないとしても、インスタやメッセンジャアプリやスマホはともかく、Windowsのデスクトップ画面やIllustratorのアプリみたいなもんは絶対に日本のMVには出てこないな。このあたりは日本と韓国の若者のデジタルリテラシーとかの差を痛感するわ。

そういう文化的な差を無視しても、面白いMVだなと思った。

 

ゲームメカニクスへの好奇心:ツーテンジャックの思い出

ゲーム好きであれば、日常的にゲームのルールにあれこれ思案したり、新しいゲームを考えてみたり、あのゲームのここはいかんな、こうしてみてはどうかとか改良を思案したりするものだが、このようなゲームメカニクスへの好奇心はどうして培われたのだろうか。

私個人に限っては、小学生の頃から1人で将棋の駒を的にして輪ゴム鉄砲で撃つ遊びを考えたり(ただ撃つのではなく、スキルのような特殊撃ちを考案していた)、友人とカーラリーを模したサイコロゲームを作ったり(基本的に残りの走行距離をサイコロで減らしていくという単純なものだが、移動ターンの他、攻撃ターンがあるというマッドマックスのようなラリーだった)、ノートに地図やクラス設定を書いた和風RPGを考案したり(クラスとしては僧兵や陰陽師を想定してた)、格闘ゲームの技表をつくったり(これは具体的なのはなかった)、日常的にゲームを考案するようなことはしていた。ただしいつからそんなことをするようになったかはほとんど覚えていない。普段から父と将棋をしたり、友人宅でビデオゲームにふけったりする自分としては、ごく当たり前にやっていたとしか言いようがない。

ひとつきっかけのようなものがあるとすれば、私は幼い頃からゲーム関連の書籍を与えられることがあったことだ。将棋の指し方やトランプの遊び方などという他愛のないものであったが、これらの入門書が私のゲームメカニクスへの好奇心に火を点けていたのは間違いない。将棋は遊べても父相手でしかできなかったため、矢倉や美濃囲いといった陣形や居飛車穴熊や四間・三間飛車といった振り飛車戦法にすっかり心奪われ、まだ見ぬ対戦相手にあれこれ思案することはままあった(実際には我流の三間飛車しかつかえなかったが、いつしか父には無敗になってしまった)。

トランプの方はというと、こちらも遊べる機会は親戚その他のあつまりくらいであり、ルールはせいぜいババ抜き、七並べ、スピードくらい。友達とは大貧民をするだけであった。しかしながら、私はトランプの書籍(今探してみると澄川町美という人の『トランプ・花札の遊び方』であったようだ。取り立てて優れた本ではないが、私はこの本を100回は読んでいると思う)に取り上げられている他のゲームを遊びたくて仕方がなかった。あくまでも頭の上でだが、「うむ、このゲームはよくできているな、こっちは多分つまらない運ゲーだろう」とシミュレーションする毎日で実際で遊べた機会はかなり少ない。逆にこのようなルールだけを吟味する機会が私のゲームメカニクスへの好奇心を生んだ可能性は否定できないだろう。

そんな中、ひとつのゲームに関してはその後、実践できるようになった。それは「ツーテンジャック」というトリックテイキングゲームのバリエーションの「ダブルマイナス」だ。トランプの本を読んでいるうちに、私はトリックテイキングというメカニクスがトランプ(というかプレイングカード)の王道だという認識を強めていた。さすがにコントラクトブリッジを解説するような書籍ではなかったため、「セブンブリッジ」でお茶をにごしていたが、この手のメカニクスの可能性を高く期待していた(あくまでも机上どころか頭上でだ)。そして、「ツーテンジャック」よりもマイナス得点が多く、射幸性が高い「ダブルマイナス」に強く惹かれていたのだ。

高校に進学した私はゲーム好きと思しき友人たちに放課後、このゲームを教え、実践し、いつしか友人たちも夢中になるようになった。トリックテイキングという古式ゆかしい形式は他の子供っぽいゲームに比べると格調の高さを感じさせてくれたし、ちょうど麻雀を覚え始めた高校生の息抜きには悪いものではなかった。そして実際に面白いゲームなのだ。

一時的な流行病のようにクラスの数名の中で「ダブルマイナス」が行われ、ついには金を賭けることにもなった。ただし醒めるときも一気に醒めたように思える。おおよそ1ヶ月くらいのめり込み、我々はまたサッカーや麻雀といった違ったことに興じるようになった(ちなみにサッカーはガリガリ君を賭けてやっており、「ガリ杯」と称していた)。

ともあれ、私にとって一番大事なことは、素晴らしいルールと思えるゲームは実際に遊んでも面白いということだ。もちろん、ゲームは創発的なもので実際に遊んでみるまでわからないものが多い。しかしながら、こうして現在もゲームの仕事をしている私にとってこのようなゲームメカニクスの好奇心、そして面白さが結実するかどうかの予想能力は必須たる洞察力となってるように思える。

 

『Cytus II』における優れた音楽の演出

また『Cytus II』の話をしよう。このゲームが完結するまでは延々と推していくわけだから。

今回は本作の音楽を使った物語演出の妙を紹介しよう。主役となるのはNEKO#ΦωΦ(NEKO)とPAFF(Aroma)だ。メインストーリーでも重要なこの2人は本作では2つのシナリオを軸として扱われ、NEKOは新米コンポーザー時代、NEKO#ΦωΦはストリーマー時代、Aromaは歌姫デビュー時代、PAFFは歌姫として人気絶頂期のシナリオが展開する。そしてこの二人のそれぞれのシナリオはほぼ同一の時間軸で発生している。

今回紹介するのはNEKO#ΦωΦに収録されている『Sunday Night Blues』という曲を使ったとても効果的な演出だ。本楽曲は「療養中と言われている人気歌手PAFFの目撃情報?MONOが秘かに新曲発表?」といった設定の「Marvelous Mix vol.1」というソングパックに収録されており、2018年8月3日にリリースされた。

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穏やかな前奏で始まりながらも、後半からはFuture Bass的なSuper Sawなシンセ、やジャージーハウス的なギシギシ音が入れられる。乾いた鉄琴のような音もFuture Bass、しかもKawaii Future Bass的な感じがある。

ただこの曲、NEKO#ΦωΦ全体の楽曲からするとやや異色に聞こえる。というのは、本作におけるNEKO#ΦωΦの楽曲は、ストリーマーとしてのネタ曲や宣伝しているという設定で収録されている本作と同じくRayarkのゲーム『Sdorica』の曲が中心なのだ。ストリーマーという設定を用いてこういう遊びを行うのはなかなか興味深いが、その中において『Sunday Night Blues』はややシリアスよりかつ、どこか未完成といった印象がある。

実はこの謎はAromaのストーリーを進めると解ける。というのは、本作はNEKO#ΦωΦがPAFFのために作ったデモ楽曲であったことがわかるからだ。

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このログではAromaがNEKOの楽曲を聞いているシーンだが、音楽となっているところをクリックすると『Sunday Night Blues』の断片が再生される。この曲を気に入ったAromaはPAFFとしてぜひともNEKOとコラボしたいと思うのだが、残念ながらこのコラボはNEKOのインターネット上の素行の悪さとPAFFの所属事務所Monoの意向でうやむやとなる。そこでアンロックされるのが、次の曲『Make U Mine』だ。

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あからさまなFuture Bass的なSuper Sawなシンセ、ボーカル、そして後半に展開するジャージーハウス独特のリズムとギシギシ音。この音色を聞けば、本作が『Sunday Night Blues』から派生した楽曲であることは明らかだろう。ただボーカルはどこか頼りなく歌われており、これもまたAromaがPAFFの曲にしようとした仮歌という側面も感じる。

いずれにせよ、『Cytus II』ではこのような音楽表現で物語の演出をうまくするのに長けている。これらの楽曲があったため、プレイヤーはNEKOの音楽能力とAromaがコラボしたかったということ表現され、その後の展開は切ないすれ違いとして認識されるわっけだ。ともあれ、彼女たちがこの場面で一瞬でも邂逅したのは本筋においても重要であり、とくにAromaが自身を取り戻すきっかけをつくるのもNekoだ。だからこそこの『Make U Mine』という曲は重要なんだろう。

ちなみに『Sunday Nighy Blues』は台北のTeru Foxによるもので、『Make U Mine』はJames Landino ft. Jennyによるものだ。このあたりのバラバラの楽曲を演出上にとりいれるのは面白い。