Dance to Death:死に舞 on the Line

Music and Game AND FUCKIN' ARRRRRRRRT 今井晋 aka. 死に舞(@shinimai)のはてなブログ。

Jamie Paige『Constant Companions』:海外ボカロシーンのクイア性

Jamie Paigeはシカゴのアーティストである。ボーカロイドと自身の声を併用したシンセポップを中心としており、BandcampやSpotifyを中心に人気を集めている。また初音ミクのDigitalStars2025の楽曲も手掛けている。

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2024年リリースのアルバム『Constant Companions』は大きな注目を集め、今年7月11日にはDeluxe Editionがリリース予定だ。

Jamieの魅力は、様々なボーカロイドを扱いながらも、プログレッシブかつポップな楽曲をエモーショナルに昇華させているところだ。歌詞の内容はボーカロイドというテクノロジーの上で、自身のジェンダーに関する経験を象徴的に扱っている。

Jamieに限った話ではないが、海外のボーカロイドシーンにはクイア性が高い。これはちょっと考えてみたら当たり前のことかもしれないが、ボーカロイドというテクノロジがジェンダーを上書きする効果があるからだ。日本ではキャラクターの声として扱われることが多いボーカロイド楽曲だが、英語圏では自身の理想とする声として利用するといった具合か。自身のジェンダーを特定のボーカロイドに同一視する「VOCAgender」というような言葉もあるそうだ。