謎のアーティストだったAlex G:GTAVでの邂逅
Bandcampで聞いていて、その背景がぜんぜんわからなかったアーティストとしてAlex Gという人がいる。
ローファイなインディーロックを基調としたその気だるい音楽は今っぽいチルな雰囲気を描写しており、Bandcampの中でも人気を博していた。自分も気に入って何度となく聞いていた。ただ、Alex Gという人が誰で何なのかはぜんぜんわからず(Bandcampのアーティストプロフィールもほとんど情報なし)、その匿名的なアーティスト名と共に謎めいた魅力を秘めていた。
時は10年ほど経過して、何故か今頃GTAVをプレイしていた。その中のラジオでフランク・オーシャンがキュレーションとDJを務めるblonded Radioというチャンネルがある。もともとはAppleのために作られたプログラムらしいが、GTAVのDLCと共に追加されたチャンネルらしい。フランク・オーシャン自身の曲のほか、カーティス・メイフィールドやマーヴィン・ゲイなどのソウルクラシック、Futureなどの最近のラッパー、Aphex Twinといったテクノも含め、ボーダレスにフランクの趣味が繰り広げられている。その中に(Sandy)Alex Gというアーティストが(私には)なんと入っているではないか。
その後、調べたところによると、Alex GことAlexander Giannascoliは、アメリカ・ペンシルベニア州出身のシンガーソングライター、プロデューサーであり、Bandcampでのヒットをもとにフランク・オーシャンのアルバム『Endless』や『Blonde』への参加を経て、国際的な評価を獲得したアーティストであるということがわかった。
彼の音楽は、エリオット・スミス、モデスト・マウス、レディオヘッド、エイフェックス・ツインなどから影響を受けており、内省的な歌詞と実験的なサウンドが特徴で、特に、2022年のアルバム『God Save the Animals』では、信仰や成長といったテーマを取り上げ、より音楽的進化を示したとされる。
2024年には来日公演もしているようで、宮崎駿のアニメや『ELDEN RING』のような日本のカルチャーが好きだとも発言している。
この話は単に個人的なエピソードにすぎないけど、前回のエントリにあった音楽を巡るキラキラはこういった偶然の一致にも宿るのではないかと思い、ここに記しとくことにする。