Dance to Death:死に舞 on the Line

Music and Game AND FUCKIN' ARRRRRRRRT 今井晋 aka. 死に舞(@shinimai)のはてなブログ。

2016-01-01から1年間の記事一覧

ありふれた表現、日常的な創作

世の中にはその辺の普通の人が作った芸術(あえてそう呼ぼう)を楽しめる人とそうでもない人がいる。たぶん大多数の人はアーティストや芸術家や作家や有名ブロガーやユーチューバーの作ったものしか楽しめないのかもしれないが、私は友人や家族やその辺の名…

現代のタイの音楽がおもしろすぎだった

バンコクに旅行してきたのだが、すごく美味しくて安いイサーン料理の食堂でかかっていた音楽に惹かれた。それは歌謡曲のような節回しでいて、ラップのようなフレーズがあり、なぜかバックバンドはスカのような不思議な音楽だった。たまにシンセのフレーズが…

極私的BitSummit 2016の感想

今年はBack in 1995のお手伝いという形で参加しました。いつもと違って出展者側の気持ちがわかって面白かったね。とりあえず、床柔らかくしよう......。E3ほどまでいかなくてもいいけど、みやこめっせ硬いよ! 以下は極私的な感想。ただの日記みたいなもんだ…

BRAND NEW / Brother's Song 対訳と考察

2、3日前からヘビロテしているBRAND NEWのBrother's Song。初期EMOらしいギターリフを基調としたバラードなんだが、そのあまりにも美メロに感動して対訳を作ってみた。正直、他の曲はあまり好きじゃないけど、この曲が持つリリシズムは良い。 <a …

一体感という名の幻想と美的判断

もうだいぶ前になるが、お台場の「Game On」に行ってきた。ああいった展覧会ができるのは本当に素晴らしいと思うけど、会場は展覧会というより無料のゲーセンという雰囲気だった。ただゲーセンより殺伐した空間じゃなくて、来場者が一緒に空間を楽しむような…

Synthwave:ビデオゲームによって再解釈されたエイティーズ

サイバーパンクバーテンダーゲーム『VA-11 Hall-A』リリースおめでとう。このゲームはプロローグ版から応援してたし、TGSでも見に行った(そしたらなんと自分が大好きなゲームの開発者がパブリッシャーになってたからおどろいた)。我々にとってのこのゲーム…

誰得ゲームレビュー3:『Downwell』における一面番長という青春の果実

「一面番長」という言葉がある。ケイブが出したスマートフォンのSTGのタイトルにもなったんだけど、今日はそれはとりあえず置いておこう。(『怒首領蜂最大往生』の世界観でYGWシューってのはみんな驚いてたね。ある人が「怒首領蜂なのに怒首領蜂らしくない…

発明と創作、あるいは私がいかにVRに(まだ)期待していないかについて

芸術も技術もその語源においては同一であるということは、美学の授業で最初に習うことだ。ともあれ、我々が発明と呼んでいることと創作と呼んでいることの違いは、その形而上学的本質はどうであれ、日常的なレベルで十分に理解可能だ。 蓄音機はエジソンによ…

音楽のサブスクリプションサービスに疑問を呈するBandcampのポリシー

2010年代に入って、私の音楽はほぼBandcamp一色であったと言って良い。ことあることにこのサービスの素晴らしさを主張してきたので、ここでは端的に説明しよう。 Bandcampはもともとインディー系のアーティストを支援するための音楽プラットフォームだ。アー…

ゲームにおけるカット割りとは...あるいはコマ割り(序)

前回の記事がわりかし好評を博したので、続きを書こう。あんまり内容には自身がなかったんだが、ああいった観点でビデオゲームを見ている人がいなかったようなので、なんかの出汁になれば良い。 今回、考えてみたいのはカット割りだ。カット割りとは基本的に…

ビデオゲームと長回し

映画にはいわゆる長回しという表現技法がある。要するにカットを割らず、フィルムを回しながら長いシーンを撮影する技法だ。役者の集中力とともに複雑なシーン構成能力を求められる。ブライアン・デ・パルマや最近ではアルフォンソ・キュアロンなどの監督が…

ゲームセンターというトポス: 紫煙、筐体、リーマンと

就職して会社員になって、ひとつ経験できて良かったことがある。それは昼休みにゲーセンに寄ることだ。私はことあることにゲーセン、アーケードへの愛を語ってきたが、それは何もあそこにあるゲームが好きなだけではないのだ。ゲーセンでゲームをするという…

ゲーマーのための映画:ジャック・オーディアール『預言者』

世の中にはゲーマーのための映画というものがある。GTAシリーズのもとになったブライアン・デ・パルマの『スカーフェイス』とかそのたぐいだ。その中でも私がもっともゲーマーに見てほしい映画が本作『預言者』だ。 ジャック・オーディアールはフランスの映…

Dischan Media:海外ビジュアルノベルが抱いた一つの夢 2

さてJuniper's Knotに衝撃を受けた私は、当然ながらネットストーキングを始める。すぐにDischanのページは見つかったが、彼らがどういった存在かはあまり理解ができなかった。というのも、彼らはどうも違った出自を持つ、バラバラの集団のようであったためだ…

Dischan Media:海外ビジュアルノベルが抱いた一つの夢 1

いつの頃か、きっかけも忘れたが、私は一時期から海外ビジュアルノベルに興味を持つようになった。ビジュアルノベルという日本特有の表現形式が海外に伝播したということ自体、興味深かったし、Christian Loveのようなクリティカルな作家が生まれてきたこと…

私がSRPGに望むもの3

群像劇とは一般に多数のキャラクターがそれぞれの視点により、物語が展開するタイプのものとされる。しかしながら、この用語法は実際に英語圏と日本語ではややズレた概念として定着している。英語圏で群像劇といえばグランドホテル形式と呼ばれるものが一般…

私がSRPGに望むもの2

成長要素がSRPGに折り合いが悪かった場合、このジャンルはなにを目指せばいいだろうか。やはり固有のユニットがもつキャラクター性は捨てがたい。さらに言えば、通常のRPGに比べて多くのキャラクターを登場させることが容易だ。この点はもっと注目されるべき…

私がSRPGに望むもの1

とはいってもそれほどたくさんのSRPGをプレイしたとは言いがたい。ファイアーエムブレムシリーズは全作プレイしていないし、スパロボ系はほぼやってないし。タクティクスオウガはもちろんプレイしているが死者の迷宮を遊び倒したとはいいにくい。 それでも直…

眠りによって全てが終わる:深夜アニメの音楽ノスタルジア

あまり健全な状態の精神ではなく、こういう時は限りなく鬱な音楽を聞きたくはなる。それも90年代末から00年代にあったいわゆる「深夜アニメ」のサウンドトラックを。もちろん現在も深夜アニメっていうかアニメは深夜に主にやっているわけだけど、個人的にこ…