2014 My Favorite Music Top 10
特に意味はないが、個人的にまとめる程度に。結局、Bancampの音源しか聞いてなくて、CDはまったく買わなくなった。結果としてまあ新譜というか新しいものが追えた感はある。CDだとどうしても古いもの買ってしまうからね。あとSteamでもいくつか聞いたが、それらもBandcampにあるものとかぶってくるからね。
Braid『No Coast』
昨年はBraidの新譜やらMineralの再結成やら90年代Emoの盛り上がりが多少あったと思う。この新譜はモダンすぎる録音が最初は好きになれなかったが、聴きこむことで耳に馴染んだ。もう単なる若さでは勝負できないだけに、大人らしい落ち着いたEmoが楽しめる傑作だ。トラック2「East End Hollows」の絡み合うギターリフと「Yeah, you take these dreams and throw them out the window」というリフレインはノスタルジーを感じさせる。他にもやっぱり歌詞と譜割りが非常に良い。昔からのファンも十分に満足できるが、若い人たちにも聞いて欲しい作品だ。
Darren Korb 『Transistor』
ビデオゲームのサウンドトラックとしては間違いなく昨年ベストだ。正直、Darren Korbのサウンドプロダクションのセンスの良さには本当に脱帽させられる。インスト系ポストロックの新譜としても十分に勝負ができるものだが、やはりビデオゲーム的世界観に染まりに染まったサウンドの没入感は他のアーティストにはないだろう。どのトラックも素晴らしいが、やっぱりイントロで鳴らされる「Old Friends」あたりが良い。単純なギターリフ。ドラムと絡むベースライン。ジャジーなライドの刻み。すべてがパーフェクト。また高速ドラムンベース「Forecast」なども圧倒的だ。これロニ・サイズみたいに生でやられた失禁するレベル。ハープが入っているので演奏困難だけど(笑)。
Michael Cera 『true that』
ハリウッドきっての貧弱俳優マイケル・セラがしれっと発表した作品。しかしそれがレッド・クレイオラばりのアヴァン・ポップだったから驚きだ。全体を通してゆるい演奏を日常の中で綴った作品だが、あまりのセンスの良さに驚く。初期のベックがやってそうなトラック3、ぶっ壊れた楽器で演奏した東欧のバンドサウンドのようなトラック4、カントリーとゴスペルの間のようなトラック5。ルーツ音楽を基礎としながらもバラエティに富む音源を作りあげている。日常に溶け込むサウンドトラックとして重宝している。
Adult Jazz『Gist Is』
UKの新人で2014年の夏頃にリリースされたもの。自分が知ったのは大晦日だったけど、これは本当に素晴らしい。ジャンル...なんなんでしょうかね。いちおうタグではオルタナティブってなっているけど、雰囲気的にはサイケ系のフォークみたいな感じというか、USっぽい雰囲気がありますね。基本的に少ない音数でギターのリードとユニゾンする歌で進む。っていうかほとんどユニゾンだ。ニーナ・シモンとかあのへんのフリーキーなジャズとかにも近い。男性のファルセットと複雑な展開が魅力的。あとたぶん裸足で歌ってそうな雰囲気がある。というかこのバンド名。ありなのか。
Jordan Rakei 『Franklin's Room』
オーストラリア、メルボルン出身のR&Bシンガーソングライター。1曲目から殺しにかかってます。穏やかなピアノリフの上にスウィートな歌声が乗っかる。宅録っぽいつくりもサバービアなR&Bを感じさせて素晴らしい。USではインディR&Bとか言われている感じのものだが、オーストラリアもなかなか行けそうだ。3曲目の「Selfish」も素晴らしい。シンプルなアンサンブルをレゲエにまとめているが、ドライになりすぎず、湿っぽさを上手く残している。後の曲もすべてレゲエが基調となっているのも面白いEP。
desk 『Act』
打ち込みソロユニットの他、ゲーム音楽フュージョンアレンジのProject Dolphin、変態バカテクゲーム音楽の Calciusreptonと様々な活動を魅せるUKゲームオタdeskの新作。最初以外はセルフカバーであるが。とはいえ、この最初のトラックだけでも聞きごたえは満点だ。発射台から打ち出される自機のような勢いのあるイントロ、変則的なリズムのブレイク、シンプルなアルペジオが連続するあたりは怒首領蜂やケツイを思い浮かべてしまう。彼はSTG以外にもいろいろゲームをやるようだが、これを聞く限りSTGの音楽への造詣は非常に深いと思われる。こういうハイパーな感じの音でSTGやりたいよな。どちらかというと縦シューの弾幕系だ。
nothing 『Guilty of Everything』
イギリスの新人シューゲイザー/ドリームポップのnothing。これはデビュー作としてはかなりの出来の良さだ。実際、海外のいろんなサイトで話題になっていた。彼らがルーツとしているバンドが非常にわかりやすくスマッシング・パンプキンズ、マイブラッディバレンタイン、イェスー。シューゲイザーからハードコアまでまたいだそのセンスは非常に聞きやすいものにまとまっている。マイブラほどアブストラクトではなく、スマパンほどダサくなく(笑)、イェスーほどにはゴリゴリのノイズではない。聞きやすくてポップなシューゲイザーだ。
Garoad 『VA-11 HALL-A Prologue OST - Sounds From The Future』
ベネズエラのオタどもSUKEBAN GAMESがお届けするサイバーパンクバーテンダーシム『VA-11 HALL-A』のサントラ。しかし、コンポーザーはテキサスあたりのアメリカ人だ。で、彼のツイッターから明らかになっている通り、これは基本的に日本の90年代OVAを参考にして作られたそうだ。しかし、そんなとこから影響を受けているなんて世の中なんだかわかんねぇな(笑)。
実際にネタ元として上がっているArmitage ⅢのOPをどうぞ。これ難波弘之さんとかそうい系の人のバンドサウンドだからちょっと違うけど、『VA-11 HALL-A』のサントラからはスタインバーガーの香りが強くする。あとはなんか電子サックスみたいなやつとか(笑)。しかしこのサントラもう100回は聞いている。それくらい好き。
Sleater-Kinney 『No Cities To Love』
スリーター・キニーの新作。まあ俺は先行シングルの「Bury Our Friends」しか聞いてないし、多分今日とか発売じゃないっけ?久しぶりにCDとかで欲しいブツだ。もうこのシングルがかっこよすぎなんですよ。ギターリフから歌詞から歌い方まで。でやっぱサビです、サビ。
Exhume our idols and bury our friends
We're wild and weary but we won't give in
かっけぇ
Bandcamp 今年ももうおわり
別に今年を振り返るまでもなく、更新していなかった間に聞いていた音源を羅列しておく。
『VA-11 HALL-A』と書いて「ヴァルハラ」と呼ぶ。なんとベネズエラの開発者によるビジュアルノベル。サイバーパンクな世界のバーテンダーになり、客にお酒を振る舞う。英語ではBooze-Em-Upとかいうバカなジャンルを名乗っているのだが、やることは単純なゲームでお気に入りのキャラに酒を飲ませて関係を築く。開発者はWaifuを強調している(笑)。既に体験版もありやってみたが、面白かった。
THIS IS NOW THE GAME OF THE YEAR NEKOMIMIS STARTED WORLD WAR 3 pic.twitter.com/Wx35mu9taG
— Sukeban Games (@SukebanGames) November 13, 2014
そしてこのサントラだ。日本のOVAに強く影響を受けたサウンドは80年代末のフュージョン系のラウンジミュージックになっている。Vaporwaveというネット上のスカム80's日本リバイバルの影響もあり、良い感じにチープなんだが、ゲームのサントラとしては完璧とでも言える出来だ。
川井憲次か芸能山城組みたいなパーカスで入る「Metropolis」、OVA的なファンクサウンド「Neon District」、80's感溢れるハードなハウス「A New Frontier」、特徴的なリズムながらもイージー・リスニング的な「Out Of Orbit」。非常にうまくまとまった今年後半のベストサウンドトラックだ。
スリーター・キニーの新作!先行シングルの「Bury Our Friends」だけが試聴できるが、これはめちゃくちゃかっこいい。ライオットガール勢としては相当キャリアが長くなった彼女たちだが、まだまだかっこいいというのは本当にすごい。
ずっしりとしたミドルテンポのドラムにロックな単音リフ、そして力強いコーラス。歌詞の内容はいまいちわかりにくいけど、どうも老いをテーマにしている感じがある。ここまで渋かっこいいガールズパンクバンドは初めて聴いたってくらい。
Bandcamp 10月ももう終わり
ぜんぜん書く暇がなかった。まあしゃーない。Bandcampの音源も漁ってたけど、あんまりちゃんとチェックしていない。次から次へと聞き流していた感が強い。
WayForwardのミュージック・マスターVirtことJake Kaufmanの新作は看板タイトルShantaeの3作目だ。Shantaeのイメージらしくアラビアのロレンス風というかペルシア風というかエスニックだ(同じこと繰り返しているなw)。だが、しかし2曲目か超クールなファンク調のハウスが始まり、Virtらしさはしっかり出ている。ゲーム音楽らしさをきちんと守りながらも今っぽいサウンドを取り入れるバランス感覚の良さはMighty Switch Forceの時から変わらない。
それより個人的に気になるのは今回のShantaeのキャラデザだ。なんだかどんどん日本の萌絵に近づいるような。まあSkullgirlsの次くらいに社内で薄い本が出回ってそうなデベロッパーだからしょうがない(笑)。
UKのSTG大好きさんdeskの新作。といっても彼を追いかけているのは俺ぐらいしかいなさそうだな。でもSTGの音楽の良さをうまく採用しながらも変態的なプログレ、マスロックっぽく仕上げているセンスは本当にすばらしい。今回は一曲目以外はセルフリミックス。だがかっこいい。16bitくらいの音に変態的なリズムとフレーズが宙に舞う、こういう曲でSTGしたいよな。
Bandcamp 8月
夏はもう過ぎ去りしあるが、ここ最近はこの2つでキマリだ!
童貞ボーイや実写版スコット・ピルグリムで有名なあの俳優マイケル・セラがミュージシャンデビュー。まあそこまではよくある話なんだが、この音源がまたかなり良い。ローファイなフォークを基調としながらもフィールドレコーディングや初期レッド・クレイオラを感じさせるアバンギャルドなロックまでかなり多彩。それでいてあたたかみのある統一感がある。この才能にはちょっとびっくりした。
出てる映画からしてサブカル系俳優だとは思っていたけど、ここまで良い音源をアウトプットされると、素直に関心してしまう。Bandcampではスタッフピックに取り上げられて、ランキングでも売れている様子だ。そもそもハリウッド映画にでるような俳優がBandcampでデビューってところからしてちょっと変わっているよな。
日本の若手俳優がこのレベルの音楽を作るのはまったく想像できんからにして、向こうの俳優のアーティストぶりには驚かされる。
オーストラリア、ブリズベンのシンガーソングライター。どうもこれがデビュー作のようでこれはまた大型新人だなと思わせる圧倒的な出来。内容はネオソウルというか最近のインディR&Bっぽいんだけど、レゲエ成分が濃いのが特徴。全体的にチルアウトしながらも激甘のボーカルを聞かせられてマジでとろけそうなほど良い。
シンプルなピアノリフが個人的にはデイヴィッド・グラブスなどのシカゴ音響系を思わせるMy TimeとサビのメロがたまらないSlefishがおすすめ。しかしどんな音楽でもボーカルは間違いなくソウルだ。
こちらによるとRobert Glasper、D’Angelo、Fat Freddy’s Dropに大きく影響を受けているとのことだが、確かにそんな感じである。シンプルなPVも良い感じなので貼っておく。ライブもいいだろうなー。
Bandcamp 7月 Part2
驚くほどアクセスが少ない(笑)。そりゃBandcampから適当な音源持ってきて紹介しているだけだから当然かと思うが、本当に少ない。はてなダイアリーの方がまだやっぱり人に読まれる可能性あるけど、音源埋め込めないしね。
まあいいや、ここで触れてちょっとだけ情報書いておけば、もしかして誰かの約に立つかもしれないし。最近はあまり特定のアーティストを掘ったりしてなくて、第一印象だけでピックアップしているけど。
まずはメジャーどころ。再結成したBraidの新作。かなり大人になった落ち着いたサウンドに仕上がっている。ピッチフォークなんかでは前のシングル『Closer to Closed』がかなり評価が悪かったようだが、こちらは良い評価をもらえているようで。個人的にはどちらもあまり変わらず安定した出来という感じ。でも結局いつも『Frame and Canvas』聞いてしまう。
ロックやパンクやメタルのアーティストは年取ってからどういう表現するのかっていうのがこれまでにも課題だったけど、Emoのアーティストはまだロールモデルが無い感じ。技術があれば複雑な構成のポストロックみたいなインストやるのも悪くないけど、Braidにはそういうの求めてないからね。その辺は難しく感じるが、本作の爽やかなサウンドからは彼らにはまだまだ期待できるように思える。
適当に見つけたシカゴのスクリーモ系バンド。スクリーモっていうかもう酷い録音と破天荒な楽曲構成でカオティックハードコアって感じである。ちなみにボーカルは女性だ。シャウトもかなり気合入っていて性差の壁を超えるプリミティブさがある。
ライブ映像もみたのだけど、演奏は超ヘタ(笑)。ただ楽曲の構成は初期のAt the drive inのようなインディーとエモがいい具合に混ざった感じで良い。それにこの録音。まったく何を考えているのか。とりあえずテンションが上がる。
Bandcamp 7月
長い間、更新してなくて7月になってしまった。クソ忙しかったのでしゃーないけど、音楽についてたまにはなにか考えたりすることは俺にとって絶対必要。まあバンドとかもやりたいんだけど、そっちはさすがにリソースが足りない。
まずは一本目、『Transistor』のサントラですよ、サントラ。『Bastion』で有名なSuperginat Gamesの新作ということで、もちろん音楽担当はDarren Korb。前作の世界観にハマりまくっていた自分は当然、買ったしCDも聴きまくっている。ただ英語の比重が強すぎて途中で止まっているのだが。
音楽は相変わらずのトリップホップのゲーム的解釈と言えようか。1920年代のような未来都市を舞台にしているだけに、ジャジーになった。前作はワイルドウエストって感じでブルースが主体だったけど。
ともかくなんつーかこの90年代感がやばい。90年代としか言えない孤独感や閉塞感、そんな感じがゲームをやんなくても伝わってくる。
こちらもゲーム関係だが2012年の作品。日本でもかなり話題になったダウナー系RPG『Omori』にも参加するSime Girlsだ。チープでローファイなバンドサウンドにチップチューンでのメロという単純明快なサウンドだが、夏に聞くにぴったしな爽やかさがある。これもかなり聞いた。
なんだこのビンテージ感があるシティ・ポップは!日本人アーティストらしいが、テメエ何者だ!とかなり驚いた作品。アーティスト名もマクロスMACROSS 82-99というわけのわからんこだわりを感じる。要する80'sから90'sか。
必聴は2トラック目の「Horsey (feat. Sarah Bonito)」。ハルカリとか思い出すようなヘタウマ女性ラップ。リリックも「朝起きて、服を着て、いつものバスに乗って」と良い意味で陳腐。あぁ懐かしい、これは。
あんまり調べる暇がなかったので、結局このアーティストがどんな人かわからない。
ほかにもいろいろあったけどとりあえずここまで。
Bandcamp 4月
新年度ですね。忙しくなりますよ。
前作はかなり聴き込んだサンディエゴのバカテクインストバンド。すごくテクニカルだけど、エモが入っていてどこか爽やかなのが特徴。本作はよりメローな雰囲気がでて、ちょっとソウルっぽさすらある。個人的にはよりロックっぽい前作の方が好きかな。それでも聞きがいがある複雑なフレーズの塊ですよ。
スタッフピックにも取り上げられ、4月のトップランキングにも常駐していたKool A. D.V ことVictor Vazquezのアルバム。Jazzというタグで発表されているが、ジャジーなヒップホップだ。いやでもかなりオシャレ。これこそジャズだと言いたげなところを感じる。ただオシャレ一辺倒にならず、かなりかわったトラックも含まれている。
ヒップホップはあまり詳しくないが、各トラックことにプロデューサーを迎えているのでわかる人にはかなり豪華な布陣なのかもしれない。Victor Vazquezについてちょっと調べてもあんまり何も出てこなかったが、彼が所属するDas Racistの記事はあった。
マンチェスターのジャズグループらしいGoGo Penguinのアルバム。ペンギンというとペンギン・カフェ・オーケストラとか思いだすよね。まったく的外れってかんじもなく、実際にチェンバーっぽいジャズ。まあこのアルバムの方がプログレッシブな感じだけど。
ジャズといえど、モダン・ジャズ的なアドリブはなさげ。その辺は欧州の前衛ジャズっぽい。そしてかなり聴きやすい。パーソネルはわからないけど(まあプレイヤーの名前とか見ても知らないだろうけど)、ピアニストがかなり重要な位置にありそうだ。2トラック目がオススメ。
ドラムはほとんどツービートを刻むことなく、ロックっぽかったり、3トラック目みたいに露骨にドラムンベースぽかったりする。ピアノが入ったそこそこ面白いインストが聞きたい人にオススメ。
マイアミ出身の4人組ヒップホップユニットらしい。マイアミだからってダンスホールやサウスっぽいヒップホップじゃなくて、なんていうかーNujabesみたいな(この辺いい加減)オサレな爽やかなラップやねん。
特に2トラック目はかなりいいねー。これからの夏の季節に合わせたい。相変わらずあんまり情報ないですが、ここで紹介されている方がいました。