Dance to Death:死に舞 on the Line

Music and Game AND FUCKIN' ARRRRRRRRT 今井晋 aka. 死に舞(@shinimai)のはてなブログ。

Bandcamp 今年ももうおわり

別に今年を振り返るまでもなく、更新していなかった間に聞いていた音源を羅列しておく。

 

 『VA​-​11 HALL​-​A』と書いて「ヴァルハラ」と呼ぶ。なんとベネズエラの開発者によるビジュアルノベルサイバーパンクな世界のバーテンダーになり、客にお酒を振る舞う。英語ではBooze-Em-Upとかいうバカなジャンルを名乗っているのだが、やることは単純なゲームでお気に入りのキャラに酒を飲ませて関係を築く。開発者はWaifuを強調している(笑)。既に体験版もありやってみたが、面白かった。

そしてこのサントラだ。日本のOVAに強く影響を受けたサウンドは80年代末のフュージョン系のラウンジミュージックになっている。Vaporwaveというネット上のスカム80's日本リバイバルの影響もあり、良い感じにチープなんだが、ゲームのサントラとしては完璧とでも言える出来だ。

川井憲次芸能山城組みたいなパーカスで入る「Metropolis」、OVA的なファンクサウンド「Neon District」、80's感溢れるハードなハウス「A New Frontier」、特徴的なリズムながらもイージー・リスニング的な「Out Of Orbit」。非常にうまくまとまった今年後半のベストサウンドトラックだ。

 

 スリーター・キニーの新作!先行シングルの「Bury Our Friends」だけが試聴できるが、これはめちゃくちゃかっこいい。ライオットガール勢としては相当キャリアが長くなった彼女たちだが、まだまだかっこいいというのは本当にすごい。

ずっしりとしたミドルテンポのドラムにロックな単音リフ、そして力強いコーラス。歌詞の内容はいまいちわかりにくいけど、どうも老いをテーマにしている感じがある。ここまで渋かっこいいガールズパンクバンドは初めて聴いたってくらい。

 

 

 

Bandcamp 10月ももう終わり

ぜんぜん書く暇がなかった。まあしゃーない。Bandcampの音源も漁ってたけど、あんまりちゃんとチェックしていない。次から次へと聞き流していた感が強い。

 

 WayForwardのミュージック・マスターVirtことJake Kaufmanの新作は看板タイトルShantaeの3作目だ。Shantaeのイメージらしくアラビアのロレンス風というかペルシア風というかエスニックだ(同じこと繰り返しているなw)。だが、しかし2曲目か超クールなファンク調のハウスが始まり、Virtらしさはしっかり出ている。ゲーム音楽らしさをきちんと守りながらも今っぽいサウンドを取り入れるバランス感覚の良さはMighty Switch Forceの時から変わらない。

それより個人的に気になるのは今回のShantaeのキャラデザだ。なんだかどんどん日本の萌絵に近づいるような。まあSkullgirlsの次くらいに社内で薄い本が出回ってそうなデベロッパーだからしょうがない(笑)。

 

 UKのSTG大好きさんdeskの新作。といっても彼を追いかけているのは俺ぐらいしかいなさそうだな。でもSTGの音楽の良さをうまく採用しながらも変態的なプログレ、マスロックっぽく仕上げているセンスは本当にすばらしい。今回は一曲目以外はセルフリミックス。だがかっこいい。16bitくらいの音に変態的なリズムとフレーズが宙に舞う、こういう曲でSTGしたいよな。

 

 

 

Bandcamp 8月

夏はもう過ぎ去りしあるが、ここ最近はこの2つでキマリだ!

 

 童貞ボーイや実写版スコット・ピルグリムで有名なあの俳優マイケル・セラがミュージシャンデビュー。まあそこまではよくある話なんだが、この音源がまたかなり良い。ローファイなフォークを基調としながらもフィールドレコーディングや初期レッド・クレイオラを感じさせるアバンギャルドなロックまでかなり多彩。それでいてあたたかみのある統一感がある。この才能にはちょっとびっくりした。

出てる映画からしてサブカル系俳優だとは思っていたけど、ここまで良い音源をアウトプットされると、素直に関心してしまう。Bandcampではスタッフピックに取り上げられて、ランキングでも売れている様子だ。そもそもハリウッド映画にでるような俳優がBandcampでデビューってところからしてちょっと変わっているよな。

日本の若手俳優がこのレベルの音楽を作るのはまったく想像できんからにして、向こうの俳優のアーティストぶりには驚かされる。

 

 オーストラリア、ブリズベンのシンガーソングライター。どうもこれがデビュー作のようでこれはまた大型新人だなと思わせる圧倒的な出来。内容はネオソウルというか最近のインディR&Bっぽいんだけど、レゲエ成分が濃いのが特徴。全体的にチルアウトしながらも激甘のボーカルを聞かせられてマジでとろけそうなほど良い。

シンプルなピアノリフが個人的にはデイヴィッド・グラブスなどのシカゴ音響系を思わせるMy TimeとサビのメロがたまらないSlefishがおすすめ。しかしどんな音楽でもボーカルは間違いなくソウルだ。

こちらによるとRobert Glasper、D’AngeloFat Freddy’s Dropに大きく影響を受けているとのことだが、確かにそんな感じである。シンプルなPVも良い感じなので貼っておく。ライブもいいだろうなー。

 

 

Bandcamp 7月 Part2

驚くほどアクセスが少ない(笑)。そりゃBandcampから適当な音源持ってきて紹介しているだけだから当然かと思うが、本当に少ない。はてなダイアリーの方がまだやっぱり人に読まれる可能性あるけど、音源埋め込めないしね。

まあいいや、ここで触れてちょっとだけ情報書いておけば、もしかして誰かの約に立つかもしれないし。最近はあまり特定のアーティストを掘ったりしてなくて、第一印象だけでピックアップしているけど。

 

まずはメジャーどころ。再結成したBraidの新作。かなり大人になった落ち着いたサウンドに仕上がっている。ピッチフォークなんかでは前のシングル『Closer to Closed』がかなり評価が悪かったようだが、こちらは良い評価をもらえているようで。個人的にはどちらもあまり変わらず安定した出来という感じ。でも結局いつも『Frame and Canvas』聞いてしまう。

ロックやパンクやメタルのアーティストは年取ってからどういう表現するのかっていうのがこれまでにも課題だったけど、Emoのアーティストはまだロールモデルが無い感じ。技術があれば複雑な構成のポストロックみたいなインストやるのも悪くないけど、Braidにはそういうの求めてないからね。その辺は難しく感じるが、本作の爽やかなサウンドからは彼らにはまだまだ期待できるように思える。

 

適当に見つけたシカゴのスクリーモ系バンド。スクリーモっていうかもう酷い録音と破天荒な楽曲構成でカオティックハードコアって感じである。ちなみにボーカルは女性だ。シャウトもかなり気合入っていて性差の壁を超えるプリミティブさがある。

ライブ映像もみたのだけど、演奏は超ヘタ(笑)。ただ楽曲の構成は初期のAt the drive inのようなインディーとエモがいい具合に混ざった感じで良い。それにこの録音。まったく何を考えているのか。とりあえずテンションが上がる。

 

Bandcamp 7月

長い間、更新してなくて7月になってしまった。クソ忙しかったのでしゃーないけど、音楽についてたまにはなにか考えたりすることは俺にとって絶対必要。まあバンドとかもやりたいんだけど、そっちはさすがにリソースが足りない。

 

まずは一本目、『Transistor』のサントラですよ、サントラ。『Bastion』で有名なSuperginat Gamesの新作ということで、もちろん音楽担当はDarren Korb。前作の世界観にハマりまくっていた自分は当然、買ったしCDも聴きまくっている。ただ英語の比重が強すぎて途中で止まっているのだが。

音楽は相変わらずのトリップホップのゲーム的解釈と言えようか。1920年代のような未来都市を舞台にしているだけに、ジャジーになった。前作はワイルドウエストって感じでブルースが主体だったけど。

ともかくなんつーかこの90年代感がやばい。90年代としか言えない孤独感や閉塞感、そんな感じがゲームをやんなくても伝わってくる。

 

こちらもゲーム関係だが2012年の作品。日本でもかなり話題になったダウナー系RPG『Omori』にも参加するSime Girlsだ。チープでローファイなバンドサウンドにチップチューンでのメロという単純明快なサウンドだが、夏に聞くにぴったしな爽やかさがある。これもかなり聞いた。

 

なんだこのビンテージ感があるシティ・ポップは!日本人アーティストらしいが、テメエ何者だ!とかなり驚いた作品。アーティスト名もマクロスMACROSS 82-99というわけのわからんこだわりを感じる。要する80'sから90'sか。

必聴は2トラック目の「Horsey (feat. Sarah Bonito)」。ハルカリとか思い出すようなヘタウマ女性ラップ。リリックも「朝起きて、服を着て、いつものバスに乗って」と良い意味で陳腐。あぁ懐かしい、これは。

あんまり調べる暇がなかったので、結局このアーティストがどんな人かわからない。

 

ほかにもいろいろあったけどとりあえずここまで。 

Bandcamp 4月

新年度ですね。忙しくなりますよ。 

 前作はかなり聴き込んだサンディエゴのバカテクインストバンド。すごくテクニカルだけど、エモが入っていてどこか爽やかなのが特徴。本作はよりメローな雰囲気がでて、ちょっとソウルっぽさすらある。個人的にはよりロックっぽい前作の方が好きかな。それでも聞きがいがある複雑なフレーズの塊ですよ。

 

 スタッフピックにも取り上げられ、4月のトップランキングにも常駐していたKool A. D.V ことVictor Vazquezのアルバム。Jazzというタグで発表されているが、ジャジーなヒップホップだ。いやでもかなりオシャレ。これこそジャズだと言いたげなところを感じる。ただオシャレ一辺倒にならず、かなりかわったトラックも含まれている。
ヒップホップはあまり詳しくないが、各トラックことにプロデューサーを迎えているのでわかる人にはかなり豪華な布陣なのかもしれない。Victor Vazquezについてちょっと調べてもあんまり何も出てこなかったが、彼が所属するDas Racistの記事はあった。

 

 マンチェスターのジャズグループらしいGoGo Penguinのアルバム。ペンギンというとペンギン・カフェ・オーケストラとか思いだすよね。まったく的外れってかんじもなく、実際にチェンバーっぽいジャズ。まあこのアルバムの方がプログレッシブな感じだけど。

ジャズといえど、モダン・ジャズ的なアドリブはなさげ。その辺は欧州の前衛ジャズっぽい。そしてかなり聴きやすい。パーソネルはわからないけど(まあプレイヤーの名前とか見ても知らないだろうけど)、ピアニストがかなり重要な位置にありそうだ。2トラック目がオススメ。

ドラムはほとんどツービートを刻むことなく、ロックっぽかったり、3トラック目みたいに露骨にドラムンベースぽかったりする。ピアノが入ったそこそこ面白いインストが聞きたい人にオススメ。

マイアミ出身の4人組ヒップホップユニットらしい。マイアミだからってダンスホールやサウスっぽいヒップホップじゃなくて、なんていうかーNujabesみたいな(この辺いい加減)オサレな爽やかなラップやねん。

特に2トラック目はかなりいいねー。これからの夏の季節に合わせたい。相変わらずあんまり情報ないですが、ここで紹介されている方がいました。

Bandcamp 3月

忙しいようなそうでもないような感じでブログを怠っていた。今週末は取材で忙しくなると思われるので今のうち、たまった音源吐き出しておく、

 

 リトルJBという名前で知られるファンク/ソウルアーティストのLee Fields。日本ではあまり知名度がないようですが、Bandcampからいろいろ音源が公開されてます。最近はフェラ・クティのアルバムなんかも公開されているが、こういった形で過去の偉大なアーティストにもう一回、スポットライトがあがるのはいいですね。このアルバムは特にJB臭さが強いように思う。オリジナルリリースは2002年。

 

Mike Westbrook楽団のサックスとして研鑽を積み、ブリティッシュジャズ界の 大物となったジョン・サーマンのライブアルバム。69年に収録された未発表音源が、2011年にリリースされたものだ。ブリティッシュジャズの中でもシンセサイザーとか使ったりするサーマンだが、このアルバムはかなりオーソドックスにコルトレーンの影響が表れている。モダンジャズ最盛期の雰囲気を残している自由奔放なサックスが楽しめる。Bandcampでは一曲しか聞けないけど、このアルバムはジャズに親しみがない人でも楽しめそうだ。

あと今まであんまり探さなかったけど、Bancampにはアヴァンギャルドなジャズもあるね。ジョン・サーマン以外にもビル・ラズウェルはともかく、ペーター・ブロッツマンとかあってちょっと驚いた。こちら方面はそれほど詳しくないので、おすすめあったら教えて欲しい。

今日発見したばかりの超超超期待のバンド、NOTHINGのデビューアルバム。まだそこまで聴き込んでいないけど、これはヘビロの予感がヒシヒシとする。フィラデルフィアの轟音かつドリーミーなシューゲイザーロック。最初のトラックから超やられる。マイブラ直系な感じのボーカルは日本人好みといってよく、適度にナルシスティックな世界観は漬物石で押さえつけられたようにハマるだろう(意味不)。

これがデビュー作とは思えないほどのソングライティングの完成度。そして録音の素晴らしさ。プロデューサーは有名な人っぽい。

俺のわけのわからんコメントよりもアルバムにふされた紹介文がドンピシャな感じ。

NOTHING seamlessly merge the huge distorted guitar sound of 90s/00s alternative rock giants My Bloody Valentine and Smashing Pumpkins with Jesu’s introspective post-metal/hardcore. 

NOTHINGは90年代から00年代のオルタナティブロックの偉人であるマイブラスマパンの激しいディストーションギターサウンドとイェスーの内省的なポストメタル/ハードコアをシームレスに融合する。

いやー本当にそんな感じ。Jesu(イェスー)は前も紹介したけど、適度に内省的なノイズが素晴らしい。なんで内省的と感じるのか不思議ではあれど。