Dance to Death:死に舞 on the Line

Music and Game AND FUCKIN' ARRRRRRRRT 今井晋 aka. 死に舞(@shinimai)のはてなブログ。

誰得ゲームレビュー3:『Downwell』における一面番長という青春の果実

「一面番長」という言葉がある。ケイブが出したスマートフォンSTGのタイトルにもなったんだけど、今日はそれはとりあえず置いておこう。(『怒首領蜂最大往生』の世界観でYGWシューってのはみんな驚いてたね。ある人が「怒首領蜂なのに怒首領蜂らしくない」って言ってて面白かった。YGWシューだからしょうがない。)

今回は別にSTGの話をするわけではない。いつもSTGの話はしている。今回は『Downwell』について極私的なポイントから話したいのだ。

日本が誇るインディークリエイターとして華々しくデビューしたもっぴん氏が作る本作。期待を裏切らない素晴らしいアイデアを素晴らしいデザインでまとめた本当に傑作だった。正直、「微妙なできだったらどうしよう」とか思っていた。デビュー前から過剰に褒めるのはやめようと思っていたんだけど、完全な杞憂。すまんかった、もっぴん、結婚しようよとさえ思うような出来だったのである。

で、『Donwell』のどこが素晴らしいかっていろいろあるんだけど、個人的にはこれだ。一面番長なんだよ。このゲーム、ステージで蓄積したリソースを後半のボスで一気に投入するというタイプのゲームで、非常にアーケードSTGっぽいんだけど、この序盤のリソース蓄積にコンボの要素がある。地面に足をつかずに敵を連続して殺していくとボーナス点が入るというやつだ。いわゆる「ゲットポイントシステム」。あ、知らない...。怒首領蜂のコンボシステムの正式名称なんだけどね。

ともかく、このコンボシステムが非常に熱いわけだ。うまく敵を殺していけばポイントをガシガシ蓄積でき、そのポイントでアイテムを購入。ガンブーツっていうミクロなゲームデザインの部分に称賛がいきがちだけど、俺としてはもっぴん君のアーケードゲーム的なマクロなレベルデザイン部分にも非常に才能を感じてしまう。(次回作はぜひともSTGも頼む...切に)

しかしその代償として、やってしまうんだよな。捨てゲーを...。つまり序盤であまりにも糞プレイをしてしまったら、すぐにリセット、コンティニュー。最低でも1ステージで8コンボを2回は決めなきゃ、続けてやる気がでないわけ。

で、こうかくとなんか『Downwell』難しいだけのゲームじゃんって思うじゃん。違うんだよ。捨てゲーしてまでも、コンボ狙うのが楽しいんだよ。そもそも序盤でのリソースの蓄積自体が楽しくできているからこそ、捨てゲーしてでも完璧なプレイを狙う。結果、俺は一面番長、ならぬ洞窟番長になっていくんだ。

振り返って一面番長になっちゃうゲームってたいてい素晴らしいゲームなんだと気づく。たしかに『斑鳩』は難しくて、ラスボスまで残機2つはキープしないとクリアは困難。そのためスコアラーじゃなくても1、2面はチェーンコンボでスコア稼がなくてはいけない。ほとんどの斑鳩プレイヤーは一面番長時代を経験する。ただし、それは繰り返し遊ぶことが楽しいからこそであり、ゲームに慣れて、本質に気づく重要なフェイズなのだ。

『Downwell』もおんなじだ。シンプルなコンボシステムだけど、敵を連続して踏み殺しのは楽しいし、SEも素晴らしい。そして3面4面になると、このコンボテクニックは必須となる。一面番長は実はクリアのための近道でもあるのだ。さらに言えば、『Downwell』はこれをランダム生成のレベルデザインでやっているからちょっとすごい。まあゲーム自体を長くすることはできないけど、マクロな部分でプレイヤーのテクニックを向上させるデザインがなされているんだ。

つまり、一面番長してしまうゲームは良いゲーム。それはゲームメカニズムの本質を掴む青春時代なのだ。