Dance to Death:死に舞 on the Line

Music and Game AND FUCKIN' ARRRRRRRRT 今井晋 aka. 死に舞(@shinimai)のはてなブログ。

ゲームセンターというトポス: 紫煙、筐体、リーマンと

就職して会社員になって、ひとつ経験できて良かったことがある。それは昼休みにゲーセンに寄ることだ。

私はことあることにゲーセン、アーケードへの愛を語ってきたが、それは何もあそこにあるゲームが好きなだけではないのだ。ゲーセンでゲームをするというシチュエーションが好きなのである。

ご存知の通り、日本のゲーム産業には三つの故郷がある。ひとつは任天堂ファミコンに代表される家庭用ゲーム機というルーツ、もうひとつはWindows以前に存在したホビーパソコンというルーツ。そして一番古いのはアーケードというルーツだ。

アーケードというのは一番古いだけではなく、そのアトモスフィアからして独特だ。家庭用ゲーム機は言ってしまえば女子供の世界。しかし、アーケードは常に紫煙と暴力が渦巻く大人の世界であったのだ。(ホビーパソコンが持つ雰囲気についてはまたの機会に考えよう。)

インベーダーハウスの頃からそうであったし、格ゲーブームもそういうアウトロー感があった。正直、田舎の駄菓子のネオジオ筐体で育った私には遠いどこかの世界であったが、漠然として憧れを持っていたのだ。

昨今、ゲーセンはほぼ壊滅的な状況に至っている。存在してもプライズ機とプリクラに押されてビデオゲームは見る影もない。プレイヤーも盛り上がってるとは言い難い。

しかし、幸いにして会社の近くにはビデオゲームをしっかりと設置する店舗があったのだ。かつてのようなアーケードの盛り上がりはないにしろ、リーマンが昼間っからビデオゲームに興じることは不可能ではない。

あぁこの感じ。コンパネに灰皿がある情緒。これが憧れた大人の世界。そう思いつつ楽しむワンコインは格別のものだ。ただのゲームではない。ゲームにもシチュエーションとサイトスペシフィックな楽しみがある。ゲーセンを愛する人は多かれ少なかれそれを知っているのだ。